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国分寺崖線を知ろう!(三鷹市編)


(setagaya gaisen mapより)

土質試験課の羽田課長さん

皆さん、お久しぶりです。今春昇格した技術部長の羽田です。今回、3年ぶりに「国分寺崖線を知ろう!(三鷹市編)」を企画しました。これは、第8回目「関東の地盤を知ろう!」の中で説明した国分寺崖線を、自転車に乗って見に行った記録です。今日は三鷹市の崖線付近を紹介したいと思います。先ずは、野川沿いのサイクリングコースを走り、大沢橋まで行こうと思います。

  

大沢町には、野川から国分寺崖線の中に細かく切れ込む長い谷が多く、天文台通り東側の住宅街に沿って崖線が続いていて、谷頭は国立天文台北側付近になります。

  

そうそう皆さん、国立天文台の中に古墳があるの知っていますか? 実は、上円下方墳形式の天文台構内古墳があるのですよ。国分寺崖線の上に国立天文台があり、その敷地内に古墳があるなんて、まさに宇宙的ロマンを感じます。この天文台は、年末年始を除く10:00~17:00(最終受付16:30)無料で見学が出来ます。

さて次は、大沢緑地に向かいます。大沢緑地の中には国分寺崖線自然観察路があり、植物の観察や野鳥・昆虫などの小動物も見ることが出来ます。また、崖線の中腹には出山横穴墓群とよばれる遺跡があります。

  

東京都の雑木林保全事業の中で「雑木林のみち」(https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp)というハイキング道は10コースあり、どのコースも半日あればゆっくり散策できる長さになっているそうです。この10コースの内の一つに、大沢緑地を通っている「野川・深大寺コース」があります。
この辺りは、三鷹市の湧水地の中でも豊富な水量を誇り、昔は水車が回りワサビ栽培をしていたそうです。

崖線と湧き水

国分寺崖線は古多摩川が削り取った段丘崖で、国分寺から二子多摩川まで続いています。段丘を構成する地層の表面は、富士山や箱根山の火山灰が堆積した関東ローム層で、透水性がよく、地中にしみこんだ雨水は地下数メートルの砂礫層に溜り、地下水になります。この地下水が地表にあらわれ湧き水になります。

なるほど、国分寺崖線下から絶えず湧き出る水が、今でも水田や農業用水を生かしているのか。それではもう少し中を歩いてみよう。

    

崖上に作られた階段や遊歩道を歩いて行くと、出山横穴墓群8号墓の入口に到着しました。 急勾配だったので次の日、足が筋肉痛になりました。ここら辺は縄文時代後期の出土品が発見された所で、三鷹市域では珍しい遺跡だそうです。また、崖の中には軍用防空壕があったそうです。三鷹市、調布市、武蔵野市内には、戦時中に戦闘機の攻撃から首都を防衛するため、高射砲陣地が置かれており、三鷹市大沢にあった高射砲陣地は、大沢を通る国分寺崖線上に備えられていたそうです。勉強になるなあ~。それと、この自然観察路は竹林が多いです。崖線を竹林の根(地下茎)が縦横に伸び、崖崩れを防ぐ役割をしているのだなと感じました。

 

さてそろそろ野川公園に向かわないと日が暮れてしまいます。湧水地として知られる野川公園は、国分寺崖線沿いに広がる都立公園です。崖下の数か所から豊かな水が湧き出ています。

 

 

野川公園自然観察園は、開園以前国際基督教大学のゴルフ場だったため、園内の形がゴルフコースのようになっています。
この自然観察園の中を歩きましたが草木が鬱蒼と生い茂っているため崖線が見えるところ(露頭)が見つからず、ここで終了です。
そろそろ自転車で帰らないと~
また機会があれば、国分寺崖線(~市編)を書きますよ。

以上


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